未来(あす)

川北亮司 詩・曲


少しだけでいいんだ
ほんの少しだけでも
未来を感じて
生きていたい ※

  しわをきざんだ 年よりたちの
  きつくむすんだ 口もとがわらう
  苦しいくらしの 毎日だけど
  若いおまえが ささえ
      ※

  杖にたよる 年よりたちは
  静かな眼で 話す
  つらいことが 続いても
  ひきょうなまねだけは するなと
      ※

  年よりたちが ひびわれた
  まがった手で いのる
  わしらはすぐ 死んでいくから
  あすの日を たのむと
      ※


当時川北氏は千葉の九十九里にしばらく住んでいた。
「そこに住んでいる以上、そこに住んでいるように住むしかないと毎日走り回っていた」(川北)
そんな中で、仕事をしている年よりたちの写真を撮っていた。
その時の84歳のおばあさんのきびしい顔を見ながらできた作品。
「手渡す者と手渡される者をしっかり結びあいたいと思います。人々の未来(あす)を核にして・・・」