藤織り伝承交流館開館記念

「世屋・藤祭」ガイドウォーク参加記録

レポート、YAMA(元世屋小学校上世屋分校教諭)
写真のほとんどはビデオからのキャプチャです。
2010.05.09(日)
まずまずの好天。気温もそれほど高くなく山歩きには絶好のコンディション。
下世屋の公民館に集合して、そこがスタート地点。
宮津市エコツーリズム推進協議会のメンバー4名が案内人として上世屋までガイドしてくれる。
藤の花ことば・・「あなたを歓迎します」だそうだ。初めて知った。
ガイド内容は、山野草から野鳥、土地の歴史や風土など多岐にわたる。
さあ、出発。まずは集合地点近くの下川橋(したがわばし)へ。
ここは下世屋から松尾へのメインストリートだったが、バイパスの開通でほとんど通行はない。道路にも草がはえていた。
途中で見たかなり太い藤の蔓。これよりさらに太いものもある。
下川橋。レンガ積みの建造物。かなり古い歴史がある。
清流が流れる。

コケが木につき、垂れ下っている。
きっとガイドしてもらわなかったら、全然気付かなかっただろ。
「ショウジョウバカマ」の説明を聞く。実は今回名を聞いた植物はほとんど初めて。私にとって関心のあった植物以外はすべて「野草」のカテゴリー。
これは、種子だけでなく葉の先から根っこが出て(不定芽というらしい)繁殖すると言う。確かに葉の先から根らしきものが出ているものがあった。ヘエーッ!!

私たちを「歓迎」してくれている藤。今が盛りか。
これはなんという名前だったか?聞き取れず・・
教えて下さい!
ヒメアオキ。アオキは知っていて、我が家にもあるがこれが雄株と雌株があることを知らなかった・・。多雪地帯の変種らしい。
エンレイソウ。なんと実をつけているものは10年以上のものらしい。
すごい!10年以上前からここに生きていたんだ。(延齢草)

<龍渓橋〜>

流れる川を覗き込んで見る。はるか下方を世屋川が流れている。
最初にここを見た時は背筋が凍った。
木に巻きついている太い蔓。藤かと思いきやこれはアケビらしい。蔓の巻き方にも左巻き、右巻きがあることを初めて知った。
フジ(藤)はマメ科の植物。実は江戸時代まで食用になっていたらしい
炒ったものを準備していただいた。食べてみると香ばしくておいしい。
調理次第ではいろんな工夫ができるのでは?
コーヒー?クッキー?etc
これはこの日見た一番太い蔓。

<世屋姫神社〜>

この街道の最も急坂「ばっさか」を越えると世屋姫神社が。
今は4月24日が例祭だが、もともとは4月17日だったらしい。
棚田が広がる。棚田は石垣積みが多いらしいが、ここはない。
地滑りの地形とそこに出る湧水を利用した棚田ということ。
ウワミズザクラ。これが桜だとはつゆ知らず。この実はとてもいい香りがするらしい。杏仁子と言うらしく、ひょっとしてあの杏仁豆腐はこの実から?
りっぱなウワミズザクラの横にある藤。
これまでの藤とどこか違う。こんもりして色も濃い。

この藤の説明をゲストの研究者が解説して下さった。
変種かも知れないとのこと。

<上世屋到着>

村を流れる川の土手に咲いていたレンゲツツジ。
シシウド。強心作用があるということ。またかつては農業肥料として利用する人糞の発酵を促すために入れたという。かってに採らないように日にちを決めて採取したらしい。
洋名はアンゼリカ。むかし洋菓子やさんでバイトしてた時にトッピング材料にアンゼリカというものがあったが・・もしかして。


<藤織り伝承交流館到着>

ゴールである「藤織り伝承交流館」到着。
中学校分校の校舎を提供してもらい、藤織り保存会が運営する。

多くのスタッフが歓迎してくれた。
藤織り伝承が始まってから26年目にして拠点となる場所が上世屋にできた。関係者の感慨はいかばかりか。
サイト管理人は、この分校で授業をした最後の教師。
中に入ると感慨深いものがある。
教室の廊下側の壁をとっぱらい、いくつかのブースが出現。
ここで、授業をしたなあ・・。でも立派に生まれ変わっている!
写真家 坂野英俊氏の作品が飾られている。
懐かしい顔・顔・・。
一緒に見ていた上世屋のお婆ちゃん(名前がわかりませんでした。失礼!)が、
「こんなん見たら涙がでてくるわ・・・」と。私も同じ・・・。
藤布でできた作品が多数展示してあった。


 
<開館セレモニー>

丹後藤織り保存会の会長あいさつ。
この藤織り伝承の中心的人物。彼が着ているのは藤布。
来賓の宮津市長のあいさつ。
グランド。市長のあいさつによると、ここにも新たに藤織り関連の交流施設ができる計画らしい。
会長、市長、振興局長による看板の除幕。
報道関係も多く来ておられた。
参加者とスタッフで記念撮影。
多くのスタッフが参加者をもてなしてくれた。
地元の素材にこだわったお餅、蕎麦。
蕎麦は大変美味でおかわりをしてしまった。
スタッフの皆様、感謝、感謝。

世屋に8年間も勤務したのに何気なく見過ごしていたことがいっぱい。
それを新たにガイドしてくださった方々、歓待して下さったスタッフの方々本当にありがとうございました。
このあと、家族旅行村を経由して、東野〜松尾と歩いて帰りました。